ロシア皇帝をも魅了したアレキサンドライト。その憧れは、本物とほぼ同じに再結晶されたものからイミテーションまで、さまざまなものを産み出しました。アレキサンドライトの再結晶技術についてまとめました。
アレキサンドライトの価値を決める「変光性」
「透明度」「輝き」「大きさ」「色」。この4つが多くの宝石の価値を決めますが、アレキサンドライトには、さらに「変光性」という価値基準が加わります。
上質なアレキサンドライトの見分け方
アレキサンドライトは、多くの光の色を反射する特性を持つため、当たる光によって劇的に色が変わります。昼の自然光では緑に、ろうそくや電球では赤に。この色変わりがはっきりしているものほど、上質のアレキサンドライトとなります。
他の宝石に見られない色の変化が人々の心をとらえ、数々の再結晶品を産み出すにいたるのです。
再結晶アレキサンドライトとイミテーションの違い
人工で作られたものは、「再結晶」と一括りにできないほどの大きな違いがあります。
天然物とほぼ同じ「再結晶アレキサンドライト」
本来「再結晶(人工)宝石」とは、天然宝石と成分・特性・構造が同じものを指します。天然物と同じ成分を溶かし、冷やして結晶を作るのですが、それは簡単なことではありません。
特にアレキサンドライトは、溶ける温度が非常に高いため特別な装置が必要で、冷やす過程でも細心の温度管理が必要です。
科学技術の粋を集めて再結晶されるアレキサンドライトは、良質の天然物にそっくりなものができるのです。それは、かなり大がかりな装置で調べないと判別できないほど。天然物がとても少ない今、高品質の天然物となんら変わらない再結晶アレキサンドライトが注目を集めています。
再結晶という「イミテーション」
しかし、イミテーションの「再結晶アレキサンドライト」も存在します。本物そっくりに再結晶できるようになったのは1970年代。ところが、日本では1960年初めごろにアレキサンドライトが大量に出回りました。
もちろん本物ではありません。再結晶ルビーを作る技術を応用し、色変わりする結晶を作り出したものが「再結晶アレキサンドライト」として流通しました。
「二つ以上のものを合わせてひとつにする」「化学元素から出発して化合物を輩出する」が「再結晶」の意味ですから、使い方として間違っているわけではありません。
それでも、イミテーションが先に「再結晶」を名乗ってしまったため、日本人の意識の中には「再結晶=まがい物」の意識が根強く残ることとなります。
化学技術とともに産み出されるイミテーション
光の波長がわかる特性はレーザーでも重宝されますが、アレキサンドライトが高価なため、現在ではそれに似せたガラスが作られています。
「アレクサンドリヨン」というこのガラスは、アレキサンドライトと同じ変光性を持ちますが、ガラスのためサイズが大きくとても透明です。このような天然と同一成分ではない、全く異なるのがイミテーションです。
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