10月の誕生石のひとつであるオパール。見る人や角度によって様々に色彩を変化させるこの美しい宝石は、古くから多くの人たちに愛されてきました。オパールの特徴やその種類について見てみたいと思います。
オパールの言葉の意味は?
10月の誕生石のひとつであるオパール。
「オパール」という単語は「色の変化を見る」という意味のギリシャ語の「オパリオス」に由来すると言われています。その「オパリオス」はさかのぼると、古代サンスクリット語で「宝石」を意味する「ウパラ」が変化したものであるとされています。オパールがいかに古代の人々からも愛され、貴重なものとされていたことがわかるのではないでしょうか。
ローマ時代から「幸運を招く宝石」として珍重され、イギリスの女王、ヴィクトリア女王がこよなく愛した宝石でもありました。彼女は5人の娘の結婚祝いに素晴らしいオパールを贈ったと言われています。
オパールの宝石言葉
オパールの宝石言葉は「純真無垢」「幸運」「忍耐」「歓喜」「希望」など。ポジティブで自由なエネルギーをもつ象徴の石とされています。身に付ける人のまだ見ぬ才能を開花させ、創造性を高めるパワーがあるとも信じられている宝石です。
また、オパールが他の宝石とは違い水分を含んでいることから、「みずみずしさ」や「アンチエイジング」の象徴の宝石とも言われているのです。
オパールの特徴
オパールの特徴は、なんといってもその見る角度によって色合いを変化させる美しい「遊色効果(プレイ・オブ・カラー)」です。これは、オパールを構成するシリカという微粒子が光の影響を受けることで様々な色の光を放つ効果のこと。
この遊色効果を持つオパールは「プレシャスオパール」、そうでないものは「コモンオパール」といって区別されています。この遊色効果はオパールの価値を決める重要なポイントです。
オパールの主な原産地はオーストラリアで、世界に流通する4分の3を占めています。他の産地としてはメキシコが挙げられますが、こちらのオパールには遊色効果はあまりなく、透明度の高いオパールの産地として知られています。
オパールは、他の宝石とは異なり3~10%が水分で構成されています。そのため、乾燥や熱、衝撃にはとても弱いデリケートな宝石です。直射日光や光の当たる明るい場所は避け、水分と一緒に保管する必要があります。あまりに乾燥が進むとひび割れを起こすこともあります。金属よりも柔らかいので、それらにぶつけたりすることは避けましょう。
オパールの種類
オパールには多種多様な種類があります。ブラックオパール、ホワイトオパール、ウォーターオパール、ファイアオパール、ボルダーオパール、グリーンオパールなど。
その中でも最も珍重されているのがブラックオパール。
濃い灰色から黒色のボディーカラーを持ち、そこに輝く遊色効果が映える、美しい宝石です。主な産地はオーストラリアのライトニングリッジです。ブラックオパールの価値は様々な点から判断されますが、主なものを3つ挙げてみたいと思います。
1.地色
地色とは、ベースとなる色です。その黒色が濃ければ濃いほど、遊色効果が美しく現れることから価値があるとされています。
2.明るさと輝き
そのオパールの持つ色合いや遊色効果が明るいものほど価値が高くなります。この明るさや輝きは、7つのランクに分けられ判断されます。
3.遊色
オパールの美しさの決め手となる遊色効果。評価のポイントは「変化の大きさ」と「色の種類の豊富さ」です。赤い遊色が貴重とされ、続いてオレンジ、黄色、緑、青、紫となっています。
遊色に関しては、その動きが大きいもの、動きのパターンが珍しいものほど価値があります。